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[相談]

私(X)には子供が二人おり、長男家族と同居をしています。二男とは不仲のため、長男を受取人とした生命保険を3000万契約しました。私の死後、3000万の死亡保険金を巡って子供たちが争わないか心配です。やはり保険金も相続財産として分割の対象になるのでしょうか。また、長男が私よりも先に死亡してしまったら、誰が受取人になるのでしょうか。

[回答]

保険金受取人として特定の人が指定されている場合、その人は保険金請求権利を固有の権利として取得します(生命保険金請求権の取得は死亡を原因とします)。そのため、保険金として取得した資金については相続財産としてではなく、指定された受取人が固有の権利として取得することができます。この資金について他の相続人と分割協議をする必要はありません(ただし、相続税法上はみなし相続財産となり課税の対象として扱われます)。

また、受取人に指定した長男が被契約者よりも先に死亡してしまった場合についてですが、契約者で且つ被保険者でもあるXが受取人の再指定をすれば特に問題はありません。しかし、Xが再指定をせずに亡くなると、契約上の受取人である長男の相続人全員がその保険金の受取人になることになります(保険法46条)。

契約者(保険料負担者) X
被保険者  X
保険金受取人  長男

指定された保険金受取人の法定相続人が保険金を受取る場合、いつの時点の法定相続人を指すのかという問題が生じます。判例では、契約者Xが受取人の再指定をせず死亡した場合には、指定受取人の相続人としての権利はその受取人の死亡時に確定するとし、受取人死亡時のその受取人の法定相続人がその保険金の受取人になるとされています。

なお受取人の相続人は、被保険者の死亡時に生存する者をいい、保険金受取人として確定した場合の各保険金受取人の権利の割合は、民法427条により平等の割合になります。

詳細については各保険会社で解釈が異なりますので、約款を参照し保険会社にご確認いただくことをお勧めします。また、手続きの煩雑さを防ぐためにも、保険金受取人が先にお亡くなりになった際は、できる限り受取人の変更をしておくとよいでしょう。

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