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所在不明株主の株式

[相談]

当社の株主名簿上には、所在のわからなくなった株主が何名か記載されています。このような株主に対して、いつまでも株主総会の招集通知などを送付しなければならいのでしょうか?

また、このような所在不明株主を整理する方法はないのでしょうか?

[回答]

1 会社法では、いわゆる所在不明株主の管理コスト削減のため、株主名簿上の(会社に通知された)住所に宛てでした通知や催告が5年以上継続して到達しなっかった株主について、その後の通知や催告を不要としています(会社法第196条1項)。

しかし、その場合であっても、所在不明者も株主としての権利を有している以上、事実上の管理コストは生じます。

2 そこで、会社法は更に、所在不明株主の株式について会社が競売等による売却又は買受をすることを認めました(同法第197条)。

具体的には、①会社が当該株式の株主に対してする通知又は催告が5年以上継続して到達せず当該株主に対する通知又は催告を要しなくなったときで、かつ、②当該株式の株主が継続して5年間剰余金の配当を受領しなかったときは、会社は、当該株式を競売し、その代金を当該株主に交付することができるとされています。

売却の方法は原則として競売ですが、①市場価格のある株式については、会社法施行規則第38条で定める方法により、②市場価格のない株式については、裁判所の許可を得て売却することが認められています(同法第197条2項前段)。

3 ただし、この制度を利用するには、上記の要件を満たした上で(それらの要件を満たすことを証する資料を完備して)、規定された手続を踏む必要がありますので、かなりの準備期間が必要になりますし、当該株式の売却(買受)価格についても予め十分な検討をしておくことが必要です。

 

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